ステータス
2026年6月に開催された実際 の株主総会で本システムが導入され、現在は本番環境で運用されている。ブラウザ上で動作し、日本語・英語の両方に対応している。また、会議データが日本国内に保持されるよう設計されたクラウド基盤上で運用されている。
最終的な回答を行うのはあくまで経営陣であり、本システムは意思決定を支援するためのツールである。今後は、IR説明会をはじめ、経営陣が事前に想定していない質問に対応するさまざまな重要会議への展開を進めていく予定である。
株主総会アシスタントAI
概要
株主が長文かつ想定外の質問を終える。わずか2秒後には、その質問の要点が役員の画面に表示される。さらに10秒以内には、生成AIが事前に準備された想定問答をもとに、実際に投げかけられた質問に対応した回答案を生成する。
株主総会アシスタントAIは、議長が質問を復唱し、担当役員へ発言を促すまでのわずかな時間を活用し、役員が回答案を読み、内容を吟味し、どのように答えるかを判断する時間へと変える。2026年6月の実際の株主総会では、役員は記憶を頼りに回答するのではなく、目の前に整理・提示された回答案をもとに発言した。
課題
株主総会は、経営陣が事前に想定していない質問に対し、公の場で公式な回答を求められる数少ない機会の一つである。企業は数百項目に及ぶ想定問答集を作成し、経営陣はその内容を記憶して本番に臨む。しかし、その準備には多大な労力を要する一方で、あらゆる質問を網羅することはできない。想定外の質問が出た場合、経営陣はマイクが回ってくるまでのわずかな時間で回答を組み立てなければならず、その発言は株主、アナリスト、報道機関から厳しく注目される。結果として、回答の質は個人の記憶力や瞬時の判断力に大きく依存している。
アプローチ
生成AIは、人間では数秒で実現できない処理を行う。質問内容を読み取り、事前に準備された想定問答の中から関連する内容を検索し、複数の情報を統合して、その質問に対応した回答案を生成する。単に関連資料を提示するのではなく、その場で回答案まで作成することで、経営陣が記憶をたどる負担を取り除く。
経営陣は、会社として事前に合意された見解を、目の前の質問に合わせて整理・提示された形で確認し、自らの言葉で回答する。
システムは訓練を受けたオペレーターが操作し、質問の開始・終了を管理するため、人が常に制御を維持する。また、複数の想定問答を同時に参照・統合できるため、単一の想定問答では対応できない質問にも対応でき、準備資料が不足している場合にはその箇所も示す。
さらに、株主総会では回答までの遅延は許されないことから、複数のAIモデルを並列に実行することで、一部のモデルに遅延が発生しても画面への回答表示が遅れない設計となっている。