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ステータス

2026年7月時点で、プライシング・エンジンは本番環境で稼働しており、顧客企業が展開する60店舗すべての販売店において、1つの保険商品で運用されている。顧客企業は10月末までにさらに2商品の展開を予定しており、現在は最終的な保険料率体系の確定を進めている。プライシング・エンジン自体は、料率体系が確定次第、直ちに新商品の展開を支援できる状態にある。 

また、現在の開発フェーズは完了に近づいており、次のフェーズでは、税率・税制パラメータを一元管理する機能の開発を予定している。 

開発者を介さない保険料率変更

概要

本プライシング・エンジンは、本番稼働から6か月で、欧州60店舗のディーラーネットワークにおいて提供されるコネクテッドカー保険の主要商品で500件を超える契約販売を支えてきた。 

その裏側では、従来の開発部門への依存が大きく、時間を要していた保険料率変更プロセスを、プライシング担当者自身が利用できるセルフサービス型プラットフォームへと刷新した。これにより、プライシングマネージャーは、開発者による実装や開発スプリントを待つことなく、自ら保険料率を設計・検証・展開できるようになった。 

今後は、本プラットフォームを他の商品ラインへ順次展開していく予定である。本プライシング・エンジンは、保険契約や保険料率設計を深く理解した専門チームによって開発されており、「システムに合わせて業務を行う」のではなく、「ビジネス部門が主体的に保険料率をコントロールできる」仕組みを実現している。 

課題​

従来のシステムでは、新商品の追加、保険料率の変更、規制・税制改正への対応など、あらゆる保険料率の変更において、開発者がスプレッドシートに記載された計算式を販売店向けシステムへ手作業で実装する必要があった。 

そのため、プライシング担当者自身が保険料率の検証やリリースを行うことはできず、保険料率の管理責任もビジネス部門と開発部門の間で曖昧になっていた。 

結果として、保険料率や商品の変更には時間を要し、十分な検証を行った上で迅速にリリースすることが難しかった。また、変更管理やガバナンスも案件ごとにばらつきがあり、市場環境やリスクの変化に対する価格改定を迅速に市場へ反映させることができなかった。 

アプローチ

プライシング・エンジンは、保険料率ロジックをプログラムコードではなく設定情報として管理する、柔軟なルールベースのプラットフォームである。プライシング担当者は、本プラットフォーム上で保険商品や補償内容を定義し、保険料率やリスク調整パラメータを管理するとともに、料率計算式の設計から商品のリリースまで、商品ライフサイクル全体を管理できる。 

保険料率ロジックはアプリケーション本体から独立しているため、販売店、ダイレクト販売、代理店、比較サイトなど、さまざまな販売チャネルへ柔軟に対応でき、新たなチャネルごとにシステムを再構築する必要がない。また、自動車保険に限らず、他の保険商品にも容易に適用できる。 

本事例では、販売店スタッフは従来どおり単一のフロントエンドシステムを利用するだけでよく、どの料率システムが裏側で動作しているかを意識する必要はない。コネクテッドカー保険商品を選択すると、自動的にプライシング・エンジンで保険料率が計算される。 

さらに、本プラットフォームはコネクテッドカーの走行データや地域リスクデータとも連携し、安全運転を行う契約者ほど保険料が低くなる利用実態連動型保険(Usage-Based Insurance:UBI)の料率算出にも対応している。最終的な料率設計・検証・承認はプライシング担当者が行い、プライシング・エンジンはその計算と運用を支援する役割を担う。 

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