ステータス
本システムは2025年11月から本番環境で運用されており、日本のバス事業者にお いて約1,000名の運転士が日常業務で利用している。今後は、他のバス事業者への展開を進めていく予定である。
バスドライバー向け 日々の安全スコア
概要
導入先のバス事業者では、事故発生率が前年の19%から17%へ改善し、保険損害率も約10%改善した。
課題
バス運転士の高齢化が進み、新たな運転士の確保が難しくなる中、日々の運転データから危険な運転行動をAIが検出し、安全運転指導をより効果的に行う仕組みを開発した。
本システムは、ドライブレコーダーから取得した69種類の運転行動データを解析し、独自開発のAIスコアリングモデルによって運転士ごとのリスクスコアを算出する。さらに、スコアの算定根拠も提示することで、どの運転行動がリスクにつながったのかを分かりやすく説明できる。
アプローチ
本プロジェクトでは、路線バス向けに特化したAIスコアリングアルゴリズムを開発した。本アルゴリズムは、ドライブレコーダーから取得した69種類の運転行動指標を解析し、独自開発のAIスコアリングモデルによって、運転士ごとの日次および月次のリスクスコアを算出する。
これまでバス運転士への安全運転指導は、指導員一人ひとりの経験や勘に大きく依存してきた。しかし、指導員の高齢化により経験豊富な人材が減少し、十分な指導体制を維持することが難しくなっている。
一方で、バス事業者の保険損害率は依然として高い水準にあ り、事故防止と安全運行の実現が重要な経営課題となっている。既存のテレマティクススコアは大型バス向けには設計されておらず、ドアの開閉操作や方向指示器の使用といった路線バス特有の運転行動を適切に評価することができなかった。
また、安全運転指導を標準化する仕組みがないため、限られた指導員で組織全体の安全運転レベルを向上させることは容易ではなかった。
また、解釈可能なAI(Glass-box AI)を採用しているため、どの運転行動がスコアに影響したのかを運転士ごとに具体的に示すことができる。そのため、安全運転指導を客観的かつ実践的な内容にでき、運転士自身も改善すべき点を容易に理解できる。